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ハイジに見る東洋思想

2021.05.31

「アルプスの少女ハイジ」のアニメが放映されていたのは1970年代だったでしょうか。


私が夢中で見ていたのは再放送だったようですが、その頃ハイジと同じくらいの年齢だった私は、
ハイジの住む世界に魅了され、幼稚園に行く前に見るテレビの中のハイジがとても楽しみでした。


しぼりたての山羊乳をゴクゴク飲み干すハイジ、
山羊乳で作ったチーズを溶かしておじいさんがパンに塗ってくれてそれを美味しそうに食べるハイジ、
藁にシーツを掛けただけのベットに気持ちよくダイブするハイジ、
アルプスの山々を駆け巡るハイジ、
どの姿にも憧れを持ったものです。

最近、実写版ハイジが目に留まり、懐かしさから見てみることに。
算命学を学んでから見たハイジには、子どもの頃に見たハイジとはまた違う世界を見ることができました。
(算命学的観点)

以下、ネタバレ含みます。


両親を亡くして、亡きお母さんの妹(叔母)に育てられていたハイジが、叔母さんの都合で
アルプスの山で暮らすおじいさんのところに連れてこられるところから物語が始まります。

叔母さんに半ば置き去りにされる形でアルプスの山で暮らすことになったハイジですが、
山での暮らしはハイジにとても合っていたようで、気難しいおじいさんとも心を通い合わせ、
自分らしく生き生きと暮らしています。

3年が経ったそんなある日、また叔母さんが自分の都合でハイジを街に連れて行ってしまいます。
身売り同然にクララの家に置き去りにされるハイジ。


ハイジにとって街での暮らしはとても窮屈でしたが悪いことばかりではありません。


5歳から山で暮らし始め、8歳になるまで字の読み書きができなかったハイジ。
「山で生きていくのに字の読み書きなんて必要ない!」
というペータの言葉を鵜呑みにし、学ぶ必要性を感じていなかったハイジに、
クララのおばあさまは言います。


「人は人。自分は自分よ。それはペータの言葉でしょう。
あなたにとって字の読み書きが必要か必要でないかは自分で考えなさい。」

そしてクララのおばあさまに本を読んでもらい、物語の世界に惹き込まれるハイジ。
続きを自分でも読めるようになりたい、字の読み書きができるようになりたい、
という気持ちが芽生え(自我)一生懸命に字を覚えます。

そして自分の想いを文章で表現する楽しみを見出し、
次第に「作家になりたい」という夢が芽生えます。

一方、アルプスの山に帰りたいという思いは日に日に募ります。
(ハイジの本能の叫び「山に帰りたい」)


しかし大人たちの都合で、そんな思いは叶わず、とうとうハイジは心の病にかかってしまいます。
(本能の叫びを無視し続けることによるお知らせ現象)

そんなハイジの様子に、ようやく周囲の大人たちは、ハイジの心の叫びに気づき、
ハイジはおじいさんのいる山に帰ることになります。
山に帰ったハイジはまた以前の自分らしさを取り戻します。


ここが自分の居るべき場所。自分が自分らしくいられる場所。(環境を選ぶ)


一見、自分の都合でハイジを連れ回して自分勝手に見える叔母さんも、
ハイジに色々な世界を見せてくれた人として重要な役割をしています。
叔母さんの人生もまた平坦ではなかったのでしょう。
(人にはそれぞれ色々な背景があり、色々な役目役割を背負っている)


そしてハイジはそんな叔母さんのことも、誰のことも恨んでいない。
(自分の宿命を受け入れる)


ハイジは小さいながらも自分の心に嘘をつかず、自分の宿命を受け入れて、運命に翻弄されながらも
誰に流されることもなく、自分の進むべき道を見つけてそれに向かってがんばっている。


大人になってから見たハイジは、また違う観点で私に色々なことを教えてくれました。


人生の中で試練と思われるようなことも、葛藤を乗り越えてこそ見えてくる道というものもあります。
後々になったら、それを乗り越えたからこそ、今の自分がある、本来の自分のやるべきことが見えてくる。
(螺旋を上る)


作家になったハイジが描いた作品、ぜひ読んでみたいです。